中国四千年の歴史の探求、一八史略の原点から始まり古代殷の時代と老子および孔子・孫子等の先哲から、現在の時代にマッチした考え方・見方を学んでいます。
例会風景
2018年
☆ 7 月 例 会
テキスト :三国志・魏志倭人伝=講師・山浦さん
1.目標:歴代中国王朝が正史として編纂した一つの古典史書の信頼性を
感覚としてほぼ確認できるか、どうか
2.資料:魏志倭人伝読み下し文全文(見出しの教材ページに原文有)
3.コメント
①倭人は帯方の東南大海の中に在り、山島に依りて国邑を為す
本州の東南は近畿ではない、つまり本州を山島とする認識はなかった
②南、邪馬壹国に至る、女王の都する所
通説:南は東の誤りとし、邪馬壹国は邪馬台国の誤り
③水行十日・陸行一月
この表現は、距離を示す「里」などの測量技術を持たなかった倭人流の表記
④都より女王国に至る、方二千余里
この行路記事は、案内人の倭人と案内される魏の役人との共同行程記事で
あること想定される
行路記事を注意して読んでも瀬戸内海を航路した記事はない
これも、近畿・大和でない証拠にもなるのではないか。
⑤男子は大小となく、皆鯨面・文身す、倭の水人・好んで水没して魚蛤を
捕まえ文身亦似って大魚・水檎を厭う
つまり海女の方法を用いた海洋民族の風習が描かれている
この光景は、玄界灘を望む北部九州の地理と想定することが一番自然で、
奈良の大和盆地には相応しくない
⑥古自り、その使い中国に詣でるや、皆自太夫と称す
太夫とは中国の身分制度の中に在る役職の一つ
⑦夏后小廉の子、会稽に封じられ、断髪・文身・・・
其の道理を計るに、当に会稽東治の東に在るべし
倭人はかっての夏后小康が行っていた入墨の風習と同じ風習で暮らしている
会稽という中国本土の東に邪馬壹国があるという中国の地理認識を示してい
る。
⑧その人の寿考、或いは百年、或いは八、九十年
倭人は一年に二度歳をとる二倍年暦を用いていた
⑨又裸・黒歯国有、復たその東南に在り、船行一年にして至るべし
エクアドルあたりに有ったと思われる国
四国の南端から古代の高速道路・黒潮に乗れば半年でエクアドル近辺に
到達できるのではないか
ここには、日本にしかない縄文式土器とそっくりの土器が、突然文化的継続
なしに現れている
⑩卑弥呼、死するを以って、大いに塚を作る、径百余保
径百余歩は長径が、人間が歩いて100歩程度の円墳であることを意味して
いる
⑪魏の軍事顧問「張政」は正和八年(248年)から秦始二年(266年)
まで、十八年間、邪馬壹国に滞在した。そのつぶさな見聞録の報告を陳寿が
表現したと思われる。
☆ 6 月 例 会
1・教本「中国の古典名著 総解説」に基づく臨済宗(後編)
前編の内容を詳細に解説:河本
①基本的な考え方
(1)-無位の真人:あらゆる世俗の階級を離れた自由の世界に遊ぶ人のこと
(2)無事これ真人:仏は静寂の境地真に自己に立ち返った心の安らかさを持っている
(3)無心 :何物にもとらわれない、何の外的条件にも制約されないこと
(4)随所に主となれば立所皆有なり:いかなるところに置かれても、又何事をするに
しても、利害損失臏順逆などと言う束縛に翻弄されることなく
その場その時の主人公になってすべてを自由に使いこなしてい
くそうすればその時、その場がそのまま真実の妙境だという
意味で使われている
②以心伝心を基本にしている
その内容は達磨大師の四聖句が有名である
(1)不立文字
(2)教外別伝
(3)教指人心
(4)見性成仏
2・教本「中国の古典名著 総解説」に基づく孫子:島村
孫子は孫先生ということですが、孫子の兵法でよく知られている
①孫子は「孫武」「孫臏」のどちらのことを言うのかと長い間論争になっていた
が、1972年4月前漢初期の頃の墓から大量の竹簡が発掘され(孫臏の兵法」と
言う未知の文献がほぼ完全な形で出てきたのでこの問題は終止符が打たれた。
現在の孫子の兵法は魏の曹操が13篇に整備し、その後も整理されたもので
原本は残っていない
②孫子の兵法:中国歴史の中、多くの儒家・道家・兵家等の教えが生まれている
が、現在も兵法、ビジネス書としてその地位を不動のものにしているのは
孫子の兵法のみである
ビルゲイツは経営の原理は孫子にあり、孫正義は自分の経営原則は孫子にある
と公言するほど、孫子を指針にしている経営者は多い
米国の海兵隊は孫子の兵法を携帯しすべての作戦は「孫子」に基づいて行われ
たとも言われている
③孫子の兵法は13篇からなっている
1.始計篇 勝算ある勝負だけせよ
2.作戦篇 戦いの被害を少なく、経済的に戦う方法
3、謀攻篇 利口に勝つ、戦わず勝つが一番
4.軍計篇 勝つ態勢を作る
5.兵勢篇 システムで勝利する
6.虚実篇 攻撃と守備の原則(敵の虚を打て)
7.軍曹篇 先に要地を抑えろ
8.九変偏 戦場の変化に素早く対応せよ
9.行軍篇 常に有利な態勢を維持せよ
10.地形篇 戦場を知れ
11.九地篇 場所による心理の変化を読む
12.火攻篇 火攻めの方法(当時の最強大量殺傷方法)
13.用間篇 情報には金を惜しむな(スパイの大切さ)
④勝算を計算する五事七計
五事:道 どのようなビジョンを持っているか
天 自然環境を良く把握する
地 戦場の地形
将 リーダーの資質
法 軍の組織編成や軍規、物資の補給方法
七計:(敵と比較する為に) (ビジネスでは)
1.どちらに道理があるか 社員がビジョンを理解し士気があるか
2.どちらのリーダが有能か 良い人材を幹部にしているか
3.自然環境はどちらが有利か 市場の状況は
4.法令が行き届いているのは どちらの意思決定が早いか
5.兵力で勝れているのは 人材を効率的に配置しているか
6.兵士が良く訓練されているのは 社員がやりがいを感じているのは
7.賞罰はどちらが公平か 評価はどちらが公平か
13篇の各項目すべてが独立したものでなく、お互いに絡み合わせることにより
大きな効力を発揮する
☆ 5 月 例 会
1・教本「中国の古典名著 総解説」に基づく
臨済録(前編): 河本
①臨済録の背景:中国唐代の禅僧で、臨済宗の開祖臨済義玄の言行を
弟子の慧然が編集したもの、867年頃の書と言われている。
日本に入ってきたのは最澄滅後50年たったころ
弟子を教育するための問答や指導・教科の方法が書かれている語録
ーこの中にある言葉の一例-
・一無位の真人 ・無事これ真人
・無心 ・随所に主となれば立所皆有なり
②禅宗はー源流:御釈迦さん
初祖:達磨大師(エピソード・少林寺で9年間ひたすら壁に
向かって座禅し「面壁九年」という逸話が残っている)
日本に根付いたのが栄西のもたらした日本臨済宗
③臨済宗は言葉で説明するより公案を与えられ、座禅し、釈迦の教えを
体験で納得することを求める宗派「以心伝心」ということを基本にしている。
-達磨大師の四聖句が有名ー
・不立文字ー文字言葉では釈迦のさとりの内容は説明できない
・教外別伝ー釈迦の教えを集大成した経典以外に別の教えはない
・直指人心-人の心と仏の心は別の物ではない、だから自分の心を
見れば仏が見える
・見性成仏ー人間の本性の中に真の人間性、仏性があるそれをよく見よ
④臨済宗がもたらした文化
日本に臨済宗をもたらしたのは栄西禅師であるが禅師は禅を広めた
だけでなく、芸術や文化にも多大な影響を与えた
・禅と武士道 ・能 ・庭園
・山水画 ・茶道 ・華道
等今に続いている。
☆ 4 月 例 会
1・豊中市シルバー展の反省会・シルバー人材センターへ提出する
アンケートを取りまとめました。
(1) 反省会:す通りする方が多かったが、2名の方より入会して頂け
そうな成果もあった。
(2) シルバー人材センターへ提出するアンケートについて
:設営時のボードの組み方について、縦横の表示が必要
2・教本「中国の古典名著 総解説」に基ずく
荘子:説明者・西山
①荘子の背景:戦国時代の思想家。名は周。凡そ、孟子と同時期(BC300年頃)
②荘子の構成:荘子の自書を核にして後学が徐々に書き足していった。
③老荘思想:春秋戦国時代に諸子百家の一つとして生まれ、現在に至る
迄の紆余曲折を経て生き延びた思想。
儒家思想の否定的主張として生まれた。窮屈でない生き方、
個人の自由を尊重したいと考える人たちが生み出した思想。
つまりあるがままの裸の人間というものを考える。
④大要
(1) 朝三暮四
(2) 木鶏
(3) 坐忘
3・教本「中国の古典名著 総解説」に基ずく
管子:説明者・伊藤(BC600年代の事跡)
①解題:斉の桓公に仕えた宰相、管仲の言行をまとめたもの
青年時代は、友達の鮑叔にいろいろ助けてもらい、いわゆる
「管鮑の交わり」の故事として有名。
②大要:あら筋をまとめたもの・主なものを掲載しました
(1) 衣食足りて栄辱を知る
(2) 君、君たらざれば、臣、臣たらず
(3) 信賞必罰
☆ 3 月 例 会
1・豊中市シルバー人材センター展の打ち合わせ会議の報告、
及び展示品「秦の始皇帝」についての最終確認を行いました。
2・今月より教本「中国の古典名著・総解説」を新たなる気持ちで
取り組んでいく事としました。
3・今回はテーマ「十八史略」:説明者・西川
(1370年頃の書 : 著者・曾先之)
太古の昔から宋代まで、歴代王朝の治乱興亡を描いた歴史読本
《 解 題 》 著者、成立事情、体裁や内容の大体についての解説
(1) 十八史略の構想 : 異民族支配と民族文化
十八史略の特色 :原点十八史
(2) 歴史の黎明(夜明け) : 北京原人・黄河文明・殷王朝・周王朝
(3) 春秋五覇と戦国七雄 : 覇者の性格・弱肉強食の時代
《 大 要 》 あら筋をまとめたもの : 主なものを掲載しました
(1) 焚書坑儒
(2) 糟糠の妻
(3) 月旦評
☆ 2 月 例 会
1・豊中市シルバー人材センター展で展示する「秦の始皇帝」の最終確認を
行いました。
2・守屋 洋先生監修の「中国古典一日一話」も4年余り勉学に勤しみましたが、
最終章を迎えることとなりました。
ものの見方・考え方等々多岐にわたりご指導していただきましたこと、
感謝致しています。
3月からの教本は「中国の古典名著 総解説」とし
新たなる気持ちで取り組んでいく事とします。
3・ 一日一言
窮すれば即ち変ず、変ずれば即ち通ず = 易経
《 解説 》
事態がどんずまりの状態にまで進むと、そこで必ず情勢の変化が起こり、
変化が起こると、そこからまた新しい展開が始まるということ。
この試練を超えよう
これを超えたところに
また一つの新しい自己が
見いだされよう
坂村真民先生 : 人生の詩、一念の言葉より
2018年
☆ 1 月 例 会
新しい年を迎え、気も引き締まる思いで同好会展資料の検討しました。
1・一日一言
功を建て業を立つるは、多くは虚円の士なり = 菜根譚
《 解説 》
事業を成功させ、功績を建てるのは、素直で機転の利く人物である
いじけるな あるがままに
おのれの道を 素直に
一筋の 歩け
坂村真民先生 : 人生の詩、一念の言葉 ー より
2017年
☆ 11月・12月例会風景
歳の瀬のあわただしさを感じる中、秦の始皇帝の最終調整を行いました。
1・一日一言
人を恃むは自ら恃むに如かず = 韓非子
《 解説 》
人の力を当てにするな、自分の力をたのめ
最高の人
最高の人というのは
この世を精いっぱい
力いっぱい
命いっぱい
生きた人
坂村真民先生 : 人生の詩 。 一念の言葉 ー より
☆ 10月例会風景
秋が忍び寄る中「秦の始皇帝をより解りやすくプレゼンする為には」と
ディスカッションを重ねています。
1・一日一話
忠告してこれを善道し、不可なれば即ち止む = 論語
《 解 説 》
相手が過ちを犯したときは、誠意をもって忠告するがよい。
それでダメなら、しばらく様子を見る。
あまりしつこくするのは、自分が嫌な思いをするばかりで効果がない、
という内容。
道
あせらず・くにせず
しずかに・自分の道を
まつすぐに行け
ー 坂村真民先生 : 人生の詩。 一念の言葉 ー より
☆ 8月・9月例会報告
「秦の始皇帝の生い立ちから業績等をきめ細かく取り纏め同好会展を見に来て頂いた皆様により解りやすく伝えられるようにをモットー」に例会の前半は資料作りを行っております。
1・一日一話
坐 忘 ( 虚心とか無心の境地 ) = 荘子
《 解 説 》
仏教用語として使われているが、老荘思想の原点になっている言葉の一つ
2・雑 感
ー 三 不 忘 ー
貧しかった時のことを忘れるな
苦しかった時のことを忘れるな
嬉しかった時のことを忘れるな
ー 坂村真民先生 : 人生の詩。一念の言葉 ー より
☆ 7月例会報告
平成30年度の同好会展タイトル「秦の始皇帝」のフレームが出来上がりました。
内容豊富な素敵な構成になっています。
更なる肉付けをしていきます!
1・一日一話
利を持って合する者、窮禍患害に迫れて相棄つ = 荘子
《 解説 》
利害関係で結ばれた者は、苦難や困難に直面すると、たちまち
相手を見捨ててしまうのだという。
2・雑 感
ー 三 願 ー
鳥のように一途に飛んでゆこう
水のように素直に流れてゆこう
雲のように身軽に生きていこう
" 坂村真民先生のお言葉から "
☆ 6月例会報告
平成30年度の同好会は展タイトル「秦の始皇帝」と決定いたしました。
内容豊富で素敵な構成になるかと思います。
ワクワク感一杯で・・・
1・一日一話
明主のその臣を道制する所は二柄のみ = 韓非子
《 解 説 》
信賞必罰で臨むこと、これが部下を使いこなすキーワード
2・雑 感
ー 一途であれ 一心であれ ー
人生は一度きり だから転んでも
立ち上がり 前向きに生きてゆくのだ
" 坂村真民先生のお言葉から "
☆ 5月例会報告
来年度の同好会展に向かって島村氏をセンターに企画していきます。 乞うご期待!
1・一日一言
鶏 肋 (けいろく)
「乱世の奸雄」と称された魏の曹操にまつわるエピソード
《解説》
対して役に立たないが、捨てるには惜しい、そういうものを鶏肋という
2・雑感
ー 風 ー
まだまだ勉強せねばならない
まだまだ知らねばならない
まだまだ死ねん
そう思う暁の風の音
坂村真民先生 "人生の詩" 一念の言葉から
☆ 4月例会報告
先日行われました第9回同好会展、初めての試み「邪馬(台)国と卑弥呼」の講話
山浦講師の絶妙なタッチ、来客の皆様から万雷の好評を得ましたこと感謝いたしております。
今から来年度の構想に向かってワクワク感一杯です。
1・一日一言
一利を興すは一害を除くに若かず = 十八史略 (故大平元首相の座右の銘)
《解説》
健全経営をはかる指針の一言
2・雑感
ー 花 ー
何が一番いいか花が一番いい
花のどこがいいか、信じて咲くのがいい
・・・・・板村真民先生・人生の詩、一念の言葉から・・・・・
☆ 3月例会報告
同好会展のテーマ「邪馬台国と卑弥呼」の内容・山浦講師指導のもと、 最終調整に 取り組みました。
講話も素晴らしい! 当日お楽しみに。
1・一日一話
敢えて天下の先たらず = 老子
《解説》
人をいつくしむからこそ、勇気が湧いてくる。物事を控えめにするから
こそ行きづまらない。人々の先頭に立たないからこそ、逆に指導者として
かつがれる。
2・雑 感
ー今ー
大切なのは 、かってでもない。 ー呼吸・ ー呼吸の今である。
”坂村真民先生のお言葉から”
☆ 2月例会報告
3月13日~14日に開催されます同好会展のテーマ「魏志倭人伝と卑弥呼」の展示内容・初めての試みテーマの説明会の最終調整に取り組んでいます。
1・ 現在の世情を反映して、一日一言
言いて当たるは知なり、黙して当たるも知なり = 荀子
《解説》黙するを知るは,言うを知るが如し
発言をするだけが能でない,沈黙によって意思を表明することも、
同じくらいに重要なのだという。
沈黙の効果ーこれを知るものは強いということかもしれない。
2・ 雑感
日本を楽しい国にしょう、明るい国にしょう
国は小さいけれど、住みよい国にしょう
日本に生まれてきてよかったと、言えるような国造りをしょう
ー詩人・坂村 真民先生のお言葉よりー